日印共作長編アニメーション映画『ラーマーヤナ ラーマ王子伝説』上映会

今回のTUFS Cinemaでは、1980年代から9年の歳月をかけて日本とインドが共作した長編アニメーション『ラーマーヤナ ラーマ王子伝説』を上映します。インドが世界に誇る古代叙事詩がアニメとなって蘇った奇跡の最高傑作です。

上映後解説:水野 善文 教授(東京外国語大学 総合国際学研究院)

ランカへの進軍開始

開催情報

tufscinema200110_00日時  2020年1月10日(金)18:00開映(17:30開場)

会場  東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール

プログラム

  • 映画『ラーマーヤナ ラーマ王子伝説』本編上映
  • トーク:水野 善文 教授(東京外国語大学 総合国際学研究院)

その他  入場無料、申込み不要(先着501名)、一般公開

主催:東京外国語大学 TUFS Cinema
協 力:東京外国語大学多言語多文化共生センター、東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)
協賛:株式会社川原、 東洋熱工業株式会社、東京国際ビジネスカレッジ、株式会社テクノブレイン、株式会社大地物流
提供:株式会社TEM(ティー・イー・エム)、「ラーマーヤナ」世界文化貢献委員会、「ラーマーヤナ」上映実行委員会

チラシ(pdf:5.8MB)

上映後解説者のご紹介

水野 善文 教授

専門は古典サンスクリット文学及び中世ヒンディー文学。東京外国語大学卒業、東京大学大学院修士課程修了。公益財団法人・中村元東方研究所東方学院でも長年サンスクリット語初級・中級クラスを担当している。

作品紹介

オリジナル英語版、歌詞サンスクリット語、日本語字幕付き
135分/1993日本/35mmフィルム上映予定

ヒンドゥは、この世は創造・維持・破壊の無限の繰り返しであると言う。創造の神はブラフマン、維持の神はヴィシュヌ、破壊の神はシヴァ。ヴィシュヌは地球の危機には、救済のために化身としてこの世に顕れる。「ラーマーヤナ」の主人公ラーマは ヴィシュヌの化身である。

10.Life in Ayodhya アヨーディヤの暮らし

「ラーマーヤナ」とは:

「マハーバーラタ」と並ぶ古代インドの二大叙事詩のひとつである。サンスクリット語で書かれ、紀元前4-5世紀には成立したといわれる。

本作品は、詩人ヴァールミーキが編纂したものを原作としている。 この物語は、インドのみならず、東南アジアにも広範に伝えられ、アンコールワットやタイの舞踊、インドネシアの影絵芝居など絵画、彫刻、建築、音楽、舞踏、演劇、映画のテーマとなっている。中国では「西遊記」に形を変え、日本にも平安時代に漢訳仏典により伝えられた。桃太郎もこの物語が 元になっているという説もある。

あらすじ:

1.Sita catched by Ravana 古代インドのコーサラ国の都アヨーディヤのダシャラタ王には3人の王妃と4人の王子がいた。ラーマは第一王子として生まれたが、別の王妃の嫉妬により王宮を追放され、シータ姫、弟ラクシュマンと14年間森で放浪する。ある日森に潜む羅刹女を追い払ったことにより、ランカに住む魔王ラヴァナの怒りをかい、シータ姫を誘拐される。
鳥王ジャタユによりそれを知ったラーマは、シータ姫を救うために、猿王スグリーヴァとハヌマーンの助けを得て、海の上に橋を築き、ランカ城に攻めこむ。
しかし、ラヴァナの軍勢と戦闘中、ラクシュマンは瀕死の重傷を負う。ハヌマーンは薬草を取りにヒマラヤに飛び彼を救う。ラーマは神の武器を使って10の頭と20の腕をもつラヴァナに戦いを挑む・・・。

<受賞>サンタクラリタ国際映画祭、アニメーション映画最優秀賞(2000)、インド最優秀DVD作品賞(2005)

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はじまり:

すべてはインドに心を魅せられた酒向雄豪によって始まった。NHK報道部を経て、禅寺で育った幼少期から憧れていたインドをテーマに数々のテレビ用ドキュメンタリーを製作していた。1983年彼は、「ラーマーヤナ」を歴史的事実としてアラハバード近郊での発掘調査をする考古学者B.B.ラール博士を取材しテレビ番組を製作した。それが発端となり、デリーの日本大使館にヒンドゥ教団体から外国人が「ラーマーヤナ」を許可なく映像化したという抗議文が届いた。

外交問題への発展を恐れた日本政府に命じられ彼は、この団体の事務局長ハル・モハン・ラール氏と会見する。丁重に誤解を解いた後、インドで俳優が演じる「ラーマーヤナ」を目撃した酒向に、空を飛ぶハヌマーン、超能力的な神の武器も登場する神話を描くには、アニメーションこそふさわしい、と神話のアニメ化が閃いた。「インドの大地で私は神話のアニメ化という啓示をラーマ神から受けたのだ。」と彼は語る。この瞬間から長編アニメーション映画「ラーマーヤナ」製作の長い道のりが開始されたのだった。

1984年、正式に映画化の許可状を得てアニメ化を企画。情熱あふれるインドのアニメ界のパイオニア、ラームモハンが参加、ナチケット・ジャヨー・パトワードハン夫妻が舞台設定としての原画を描き、政治家兼インドの国民的俳優スニール・ダット(サンジャイ・ダットの父)が顧問となり多くの専門家が企画に結集した。

ムンバイのオベロイフィルムと組み、日印合弁企業の認可と資金援助を求めインド政府と交渉した。当時のラジブ・ガンディー首相にも会見したが、政府との交渉にはいたずらに長い年月だけが費やされ、市場開放以前のインド政府から許可は下りず、この企画は暗礁に乗り上げた。

日本での製作:

1991年、不屈の精神に燃える酒向は、資金のすべてを日本側で調達することを決意。政財界で活躍していた松尾篤のもとに新たな体制を整え、東京の広尾に制作スタジオを開設した。全世界への配給を想定して英語で製作され、挿入歌には神話の言語サンスクリット語が使われた。脚本はヒンディー文学者・詩人のナレンドラ・シャルマによって書かれた。

日本からは宮崎駿監督作品でも活躍している優秀なアニメーターたちが集められた。宮崎駿氏に監督を依頼した経緯があるが、それがきっかけで「天空の城ラピュタ」の少女にシータの名前が使われることになった。日印共作長編アニメーション映画「ラーマーヤナ」は、総勢450名、100,000枚以上の手書きセル画により、およそ8億円が投じられ9年の歳月をかけて1992年12月に完成した。

1993年1月のデリー国際映画祭で初公開され、インドのマスコミは「これぞ、インドと日本の新しい友情の証」と絶賛した。インドでの初公開から世界各地での映画祭で高い評価を受けたが、いよいよ公開という時に、オーム真理教地下鉄サリン事件、インドのバーブリマスジッド破壊事件が勃発。作品は配給の機会を奪われた。そもそも日本人ジャーナリストとインドの出会いから始まったアニメ化は、映画が完成しただけでも奇跡だったと関係者は語る。ラームモハン監督は「この作品はインドのアニメ界に衝撃的な影響を与えました。私はもっと多くの日本人にこの作品の重要性を知ってほしいのです。インドの神話とボリウッドがアニメ技術の優れた日本と共に仕上げた奇跡のような出来事がこの美しい作品の存在なのです。」この言葉を受け2018年から再び日印交流に貢献したインドと日本の奇跡を多くの人に届けるために模索が始められている。

<主な製作スタッフ>

製作: 製作実行委員会 松尾篤(日本ラーマーヤナフィルム(株))
企画・監督・ プロデューサー:酒向雄豪
脚本:ナレンドラ・シャルマ、酒向雄豪
作詞:ヴァサント・デーヴ
監督 :ラーム・モハン、佐々木皓一
音楽監督:ヴァヌラージ・バティア
音響監督:青木正嗣
作画監督:小林一幸
美術監督:松岡聡
製作:石黒育、吉居憲治
特別顧問:スニール・ダット
制作協力:動画工房、スタジオぎゃろっぷ、オベロイフィルム
提供:(株)TEM

会場のご案内

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◆JR中央線「武蔵境」駅のりかえ  西武多摩川線「多磨」 駅下車  徒歩5分
(JR新宿駅から約40分)

◆京王電鉄「飛田給」駅北口より多磨駅行き京王バスにて約10分 「東京外国語大学前」下車

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お問い合わせ

東京外国語大学 総務企画課広報係( 土日祝をのぞく 9:00-17:00)
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
Tel: 042-330-5150

TUFS Cinemaウェブサイト]
https://www.tufscinema.jp
[東京外国語大学ウェブサイト]
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